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会長のご挨拶

会長 鈴木 修

【当協会のご紹介】
2024年6月23日の定時社員総会・理事会にて、会長に就任いたしました。はなはだ微力ではございますが、本会の発展に誠心誠意努力いたす所存でございます。
   さて、当協会は2002年に前身の全国訪問リハビリ-ション研究会として発足し、全国各地に訪問リハビリテーションの普及・人材育成を目的とした研修会活動取り組んでまいりました。その後、2012年に一般社団法人化して日本訪問リハビリテーション協会と名称を改め、訪問リハビリテーション(訪問看護ステーションからの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問も含め)のサービスの普及と品質向上および医療・保健・福祉の充実に寄与することを目的に活動している協会です。


【訪問リハビリテーションの定義と求められる訪問療法士】
当協会は、『訪問リハビリテーションとは、その人が自分らしく暮らすために、それぞれの地域に出向いて、リハビリテーションの立場から行われる支援である。この中で、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士は、健康状態を把握した上で、生活機能及び背景因子を評価し、リハビリテーションの概念に基づいた計画を立案する。また本人・家族等への直接的支援と関連職種への間接的支援を提供する。』と2015年に定義しています。
   また、訪問リハビリテーション・サービスを提供する訪問療法士には、
①専門職としての医学的視点
②要介護者と家族の生活、価値観を尊重する視点
③地域ケアチームの一員であるという視点
→多職種、他機関を理解し、協働して利用者や家族の生活上の困りごとを解消する姿勢
④「訪問」という特殊性を理解した医療人・社会人としての視点
⑤訪問リハビリテーション・サービスの発展のため、最新の情報や知見の習得に努め、研究活動(データの蓄積・検証・研究・発表)する専門職としての視点が求められています。

【教育・研修活動】
訪問療法士と訪問リハビリテーション・サービスに関わる全ての皆様が、活発な意見交換ができ、日々の研鑽の成果を報告し喜びを分かち合う場所としての訪問リハビリテーション・サービスに特化した研修会を企画・開催していくとともに、認定療法士取得制度により誕生した認定訪問療法士の育成および活躍機会の創出を進めてまいります。
   また、2023年度に導入した研修管理システム「manaable(マナブル)」を有効活用して、様々な人材育成のための教育コンテンツの開発、提供にも取り組みます。

【学術活動】
訪問リハビリテーションに求められている社会的ニーズの高まりと更なる学術的向上を目指すべく、2022年より学術誌(訪問リハビリテーション研究;Journal of Home-visit Rehabilitation Research)を発刊しています。本誌が、我々協会会員が直面する問題についての議論の場となり,また新たな知見を共有する場となることに期待します。
   採択された論文はオンラインで公開しており、今後、ISSN を取得し、各種データベース等での検索も可能となるように準備を進めてまいります。

【医療・介護保険制度等における政策提言および普及・啓発活動】
医療・介護保険制度における訪問リハビリテーションの質の向上と効率化を目的に、リハビリテーション医療関連団体等と協働して政策提案をしております。会員の皆様のご協力もあって、訪問リハビリテーション・サービスの学術団体としての社会的認知度も高まり、制度改定等で当協会へ意見を求められる機会が増えています。
   在宅生活における自立(自律)支援において、訪問リハビリテーションが必要不可欠であることを前提に置き、訪問リハビリテーションが効率的・効果的、かつ永続的に提供できる医療・介護保険制度を醸成するための仕組みを提案することは当協会の使命であると考えております。
より効果的で実効性のある政策を提案し採用いただくには、その根拠となる「確かなデータ」の提示が必要不可欠ですが、会員の皆様に調査研究事業の協力をお願いしていますが、回答率が十分とは言えない状況が続いております。
   当協会が使命を全うし、これまで以上に社会に貢献していくには、会員一人一人の皆様のご協力が必要です。
   役員一同、引き続き努力を続ける所存でありますので、皆様の一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。

2024年6月
会長 鈴木 修